木造建築の力
木造建築で大空間を実現するための工法のひとつに、三角形を基本単位として組み合わせる〝木造トラス〟構造があります。三角形がつり合うことで、構造部にかかる力を圧縮力と引張力という軸力のみに単純化して負担し、構造体の安定化を図るこの構造は、構造体が変形しにくいのが特徴で、大きな建物や柱のない大空間を実現するために開発されました。20ｍにも及ぶ大スパンは、まさに〝木造トラス構造〟ならでは。
木造建築でも、圧倒的な大空間を造り出します。
○用途：倉庫
○構造：枠組み壁工法
○階数：地上1階
○延べ床面積：972.53㎡
○用途：バレエスタジオ
○構造：枠組み壁工法
○階数：地上2階
○延べ床面積：207.03㎡
木造建築の多様性
ぬくもりや香り、柔軟性、調湿作用、衝撃や音の吸収など、すぐれた機能を有する〝木〟という建材。
そんな〝木〟ならではの魅力を最大限に生かした木造建築には、安らぎを与え、心を癒し、感性を育む力があるといわれています。
さらに、湿度が高い気候風土に適した素材ということで、日本では、医療をはじめ福祉、教育、商業施設など
さまざまなジャンルの建築物の木造化が進んでいます。
○用途：老人福祉施設
○構造：枠組み壁工法
○階数：地上2階
○延べ床面積：2452.56㎡（1F：1226.28㎡ 2F：1226.28㎡）
○用途：集合住宅
○構造：枠組み壁工法
○階数：地上2階
○延べ床面積：289.98㎡（1F：145.10㎡ 2F：144.88㎡）
木造建築の快適性・健康性
〝木〟を使用した木造建築物は身体への負担が少ないだけでなく、ぬくもりや香りによってストレスを軽減し、免疫力を高める効果もあるといわれています。
さらに、「製造過程でCO2発生量が少ない」、「製材後も炭素を貯蔵し続ける」「再利用・リサイクルも可能」など、環境への負荷が少ない木造建築物は、これからの資源循環型社会になくてはならない建物となっています。
○用途：医療施設
○構造：枠組み壁工法
○階数：地上2階
○延べ床面積：573.93㎡（1F：360.91㎡ 2F：213.02㎡ ）
木造建築の可能性
製造過程でのCO２発生量が少ないだけでなく、長期にわたって炭素を貯蔵し、さらに再利用・リサイクルも可能。
そんな木材をふんだんに使用した大規模木造建築は、環境にやさしく、エネルギー効率がよく、なおかつ環境負荷を軽減できる建築物として注目を集めています。
世界の住宅先進国であるカナダではすでに、2010年バンクーバーオリンピック・パラリンピックの会場となったリッチモンド・オリンピック・オーバルをはじめカナダを拠点とする電力会社ATCOの本社施設、カルガリー中央図書館など、多くの施設の木造化・大規模化・高層化が進められています。日本では、こうした流れに加え、森林育成・環境保護の観点からも、住宅や施設の木造化・大規模化が進められています。
○用途：社屋
○構造：軸組工法
○階数：地上3階
○延べ床面積：988.11㎡
（1F：355.10㎡ 2F：288.19㎡ 3F：344.82㎡）
